Claudeへの指示が伝わらないときに見直す、目的・資料・出力形式
Claudeに文章の整理を頼んでも、欲しい答えと少しずれることがあります。そんなときは、何に使うのか、どの資料を参照するのか、どんな形で受け取りたいのかを分けて伝えると、指示を見直しやすくなります。Anthropicの公式ガイドをもとに、議事メモの整理を例に解説します。
「うまくまとめて」に足りない情報は何か
生成AIに渡す指示や入力は、プロンプトと呼ばれます。「このメモをうまくまとめて」という依頼にも、会議を欠席した人への共有、決定事項の保存、担当者への作業依頼など、いくつもの目的が考えられます。書き手には自明でも、入力していない事情までAIに伝わっているとは限りません。
AnthropicはClaude向けのプロンプト作成ガイドで、期待する形式や制約を具体的にし、指示の背景を伝える方法を案内しています。この記事では、同ガイドにあるClaude向けの一般原則を扱います。モデルや用途によって適切な指示は変わるため、使う環境で確かめてください。
たとえば「会議を欠席したメンバーが、自分の次の作業を確認するため」と一文添えると、何を残したいのかが明確になります。議論の順番を再現するより、決まったことと担当が分かる記録が欲しい、と伝えられるためです。
目的・資料・出力形式を分けて書く
指示を考えるときは、使い道、根拠となる資料、受け取りたい形を別々に書き出してみましょう。以下は本記事で作成した整理例です。公式のテンプレートや、効果を実測した結果ではありません。
表が見切れる場合は横にスクロールできます
伝える項目 | 議事メモを整理する場合の例 |
|---|---|
目的と読み手 | 欠席したメンバーが決定事項と次の作業を確認するため。 |
参照する資料 | この後に貼る会議メモだけを根拠にする。 |
出力形式 | 決定事項、未決事項、次の作業の順に、見出しを分ける。 |
情報がない場合 | 担当者や期限の記載がなければ「未確認」と書く。 |
すべての依頼で長い指示が必要なわけではありません。短い文章の言い換えなら、読み手と文体を添えるだけで試せます。複数の資料を比べる仕事なら、対象期間や優先する資料も説明した方が、答えのずれを振り返りやすくなります。
背景を増やす際も、仕事で使うサービスに入力してよい情報の範囲を先に確認してください。練習には、公開情報や自分で作った仮のメモを使えます。
会議メモを使って指示を組み立てる
ここでは、架空の社内勉強会について「テーマは決定済み、会場は未定、案内文の作成担当は決まったが期限は未記載」というメモを想定します。この材料なら、次のように依頼できます。
- 目的:会議を欠席したメンバーに、勉強会の準備状況を共有するための記録を作ってください。
- 資料:下に貼る会議メモだけを使ってください。資料にない予定や担当を補わないでください。
- 出力:「決定事項」「未決事項」「次の作業」の順に整理してください。次の作業には、内容・担当者・期限を記載してください。
- 不明点:記載がない項目は「未確認」とし、決定事項に含めないでください。
この指示の後に「会議メモ」と見出しを付け、材料を貼り付ける形です。指示文と資料が区別できるようにすると、人が依頼内容を読み返すときにも確認しやすくなります。
出力の見た目がまだ合わなければ、「未決事項:会場は候補を比較中」のような期待する書き方の短い例を添える方法もあります。Anthropicの同ガイドは、用途に合う例を示すことも案内しています。例に書いた内容まで事実として混ざらないよう、見本であることを明記しましょう。
「分からない」を残し、元のメモと照らし合わせる
形式が整っていても、内容の正しさは別に確かめる必要があります。期限が書かれていないのに日付が入ったり、検討中の案が決定事項になったりしていないか、元のメモと比較してみてください。
Anthropicの誤った情報の生成を減らすためのガイドは、不確かな場合にそう答えることを認め、主張を出典で確認する方法を紹介しています。同時に、これらの方法でも誤りを完全になくせるわけではないと説明しています。
議事メモなら、決定したか、誰が担当するか、期限があるかを別々に確認すると、どこがずれたのか分かります。「もっと正確に」と頼み直すだけでなく、「検討中という記載を残して」「期限のない作業は未確認にして」と、起きた誤りに対応する指示を追加できます。
直した指示は、内容の異なるメモでも試してみましょう。一つの例にだけ合う指示になっていないかを確かめられます。確認と修正にかかった手間も残しておくと、その作業に使い続ける価値があるかを振り返る材料になります。
まとめ
指示を見直すときの要点は、次の三つです。
- 使い道を伝える:誰が何を判断するための文章なのかを添える。
- 資料と形式を指定する:根拠にする範囲と、欲しい項目を分けて書く。
- 不明点を埋めさせない:未確認の情報を残し、元の資料と照合する。
まずは入力してよい短いメモを一つ選び、普段の頼み方に「誰が何に使うか」を加えてみてください。答えのどこが変わり、何を直す必要が残るかを見ることが、次の調整につながります。
AIを使う仕事そのものを選びたい場合は、AI導入と小さな検証の進め方が参考になります。多くの社内資料から必要な情報を探す仕組みは、RAGの基礎で解説しています。
