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SaaSやアプリが使われ続けるために見直したいこと

SaaSやアプリを使い続けてもらうには、登録後に目的を達成できることと、困ったときに解決できることが大切です。初回利用、問い合わせ、再利用の流れを、予約サービスの例とともに解説します。

新機能の前に顧客が続けられない理由を確かめる

サービスを使い続けてもらうには、利用者が予約や購入などの目的を無理なく達成できることが大切です。会員サイトで履歴を確認する、アプリから予約を変更する、通知で次の予定を思い出すといった機能は、利用者が目的を達成するのを助けるものです。

ただし、機能を追加するだけでは解決しない問題もあります。ログインできても次に何をすればよいか分からない、問い合わせても回答が届かないといった状態では、利用者は先へ進めません。利用者がどこで困っているかを確かめ、画面の案内と担当者の対応を一緒に見直しましょう。

この記事では、初回利用、困ったときの対応、次の利用の3つの場面から、使われ続けるための工夫を紹介します。予約サービスを例に説明しますが、実際の導入事例や改善率を示すものではありません。

継続利用を3つの場面で見直す

初回の価値にたどり着けるか

登録や契約の完了は、顧客にとっての目的そのものではありません。予約サービスなら予約が成立すること、業務ツールなら必要な仕事を一度完了できることなど、顧客が「使えてよかった」と感じるのはどんな行動を終えたときかを具体的に考えることが出発点になります。

そこにたどり着くまでに必要な入力、担当者の承認、データの受け渡しを書き出すと、負担の大きい箇所を見つけやすくなります。初期設定が長い、案内が複数のメールに分かれているといった問題なら、手順を減らしたり説明をまとめたりすることで改善できる場合があります。

補足最初の利用を助けるオンボーディング
初回の案内や設定を通じて、利用者が最初の成果を得るまでを助ける取り組みを「オンボーディング」と呼びます。アカウントの作成だけで終わらず、予約を完了するなど、利用目的を達成できるところまで支えることがポイントです。

困ったときに戻ってこられるか

手続きの途中でエラーになった、予約を変更したい、契約内容を確認したい。こうした場面で解決方法が分からないと、利用を続けにくくなります。相談先が画面上で分かることに加え、誰が履歴を確認し、次の案内をするかが決まっていることも大切です。

顧客が入力した情報を、担当者が別のシステムへ転記している場合は、転記漏れや確認待ちが、対応の遅れにつながっているかもしれません。顧客向け画面だけを刷新しても、担当者の手元で止まる原因は残ります。

次の利用に必要な情報が揃っているか

前回の利用内容、次の手続き、変更方法が分かれば、顧客は再び利用するときも迷わずに済みます。通知については、数を増やす前に、顧客にとって必要なタイミングと内容になっているか、受け取るかどうかを本人が選べるかを見直してみましょう。

利用を続けてもらうために、解約や変更の手続きを分かりにくくするべきではありません。使い続けたいと思える理由があり、合わないと感じた場合にも手続きに迷わないことが、長く付き合えるサービスの前提です。

一つの利用場面を社内の処理までつなぐ

ここまでの確認を、定期的に予約するサービスに当てはめてみます。顧客が予約を変更したのに社内の担当表へ反映されなければ、会員画面が使いやすくても対応の食い違いが起こります。予約変更を受け付けてから顧客へ知らせるまでを、次のように整理できます。

  • 顧客の操作:予約内容を確認し、変更を依頼する。
  • 社内の判断:担当者が変更可能な枠と条件を確認する。
  • 共通の情報:予約状態、担当者、変更履歴を揃える。
  • 顧客への案内:確定した内容と、必要な次の行動を伝える。
  • 例外時の対応:変更できない場合や通知が届かない場合に人が対応する。

顧客の操作と社内の作業を並べると、顧客だけで完了できる手続きと、担当者の判断が必要な手続きが分かります。最初からすべてを自動化する必要はありません。

SaaSと個別開発はどちらを選ぶか

必要な操作と社内の作業が見えてくると、既製のサービスで足りる部分と、自社向けの開発が必要な部分を分けて考えやすくなります。実現する方法を選ぶ際は、この違いを踏まえて比べることが大切です。

既製の機能で業務を満たせるならSaaSを比較する

SaaSはインターネット経由で利用する既製のソフトウェアサービスです。予約や顧客管理などの標準的な機能で目的を満たせるなら、設定や運用の見直しだけで対応できる可能性があります。

比較したいのは、画面の機能だけではありません。役割ごとの権限、データの取り出し、外部連携、利用人数が増えたときの費用、解約や移行の条件も、使い続けられるかを判断する材料になります。仕様や契約条件は変わることがあるため、選定時に提供元の最新情報を確かめましょう。

独自の体験や複雑な連携が必要なら個別開発を検討する

顧客ごとに異なる契約や承認ルール、独自の受発注、複数システムをまたぐ処理など、既製の機能では重要な部分を満たせない場合は、個別開発も選択肢になります。

SaaSを中心にし、不足部分だけを開発する方法もあります。ただし連携部分にも保守が必要です。どのシステムの情報を正とするか、どちらからどちらへ更新するか、障害時にどう対応するかを決めておくと、システム間で情報が食い違ったときにも判断しやすくなります。

AIは役割を絞って組み込む

問い合わせの要約や回答案、資料検索などにAIを使う場合は、人が結果を確認する手順と、参照する資料の管理も欠かせません。予約の確定、契約の変更、権限の判断まで自動で任せられるとは限らないため、人が関わる範囲を決めておく必要があります。対象業務の選び方は、AI導入の小さな検証の進め方で詳しく説明しています。

登録数だけでなく利用の途中を見る

改善の効果を知るには、登録数に加えて、目的の操作を完了できたか、再び利用してもらえたかを見ることが大切です。問い合わせの内容や担当者の作業時間も合わせて見ると、利用者と運用側の両方で何が変わったかを振り返れます。

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登録数だけでなく利用の途中を見るの表

見る項目

確認したい変化

初回利用

契約・登録後に、目的の操作を完了できたか。

継続利用

事業に合う一定期間の後に、利用や購入が続いているか。

問い合わせ対応

解決までの時間や、同じ問題の再発がどう変わったか。

提供の負担

一件の対応に必要な時間や運用費用がどう変わったか。

顧客の理由

続ける理由、使わなくなった理由として何が挙がるか。

注意利用頻度に合った期間で比べる
毎日使う業務ツールと、数か月に一度使う予約サービスでは、戻ってくる間隔が違います。登録時期や観測期間を揃え、次の利用機会がまだ来ていない人を離脱と決めつけないようにしましょう。

使われ方を振り返るメモ

  • 対象顧客:誰が、どんな目的で利用するか。
  • 止まる場面:登録、初回利用、変更、問い合わせ、再利用のどこか。
  • 現在の流れ:顧客の操作と、社内担当者の作業。
  • 使っているもの:サイト、アプリ、SaaS、表計算、メールなど。
  • 変えたい結果:初回利用、継続、対応時間など、最初に確かめること。
  • 運用条件:担当者、扱う情報、止められない業務、予算と希望時期。

数字が十分でなくても、最近起きた「顧客が困った場面」を一つ説明できれば、調べる対象を決められます。機能一覧だけを先に完成させる必要はありません。

まとめ

  • 最初の成果までを短くする:登録後に目的の操作を完了できることが、サービスの価値を感じてもらう第一歩です。
  • 困ったときに解決できるようにする:画面の案内に加え、担当者が解決するまでの手順も、利用の続けやすさに関わります。
  • 次の利用を妨げない:履歴、変更方法、通知設定が分かりやすいことも大切です。効果を見る際は、利用頻度に合った期間で振り返る必要があります。

まず、新しいアカウントで登録から最初の操作まで試してみてください。途中で迷う箇所を記録し、実際に届いた問い合わせと重なるところから改善を考えましょう。